「スタッフのコラム」を更新しました!(R6.6.26)
〇伝え方
さっそくですが問題です。
「あなたはお友達と休みの日に遊ぶ約束をしました。でも当日になると、宿題が全然終わってないので遊べそうにありません。そんなとき、あなたはお友達にどう伝えますか?」
さて、みなさんどんな答えが思い浮かんだでしょうか?
いろんな伝え方があるかと思いますが、どうやら大きく3種類に分かれるようです。
まずはジャイアンタイプ(アグレッシブ、攻撃的)。相手よりも自分が大事で、自分の意見ばかり言ったり、怒鳴ったり威圧したりします。このタイプの場合、「今日は無理だ!」と大声で言うかもしれません。
次にのび太タイプ(ノンアサーティブ、非主張的)。自分よりも相手が大事、相手に合わせて自分を抑えます。このタイプの場合、「(本当は宿題しなきゃいけないけど)大丈夫、遊べるよ!」と言うかもしれません。
どちらのタイプも、自分か相手だけを大切にした伝え方になりますが、両方を大切にできる伝え方はないものでしょうか?
そこで、しずかちゃんタイプ(アサーティブ)の登場です。相手も自分も大事、自分の気持ちをその場に合わせて伝えます。この伝え方を身につけるためのトレーニングを、アサーション・トレーニングと呼んでいます。
アサーション・トレーニングは、1950年代のアメリカで、自己の考えや気持ちを伝えることが苦手な人や、人間関係がうまくいかない人向けのトレーニングとして開発されました。現在では、人間関係づくりのために、企業の研修や学校の授業などで利用されています。
相手を大事にしつつ、自分の意見を伝える方法を身につけることで、良い人間関係を保てるメリットがあります。
そのやり方として有名なのは、DESC(デスク)法という方法です。4つのステップに分けて自分の気持ちを相手に伝えます。その順番は、①Describe(描写、事実のみを伝える)、②Explain(表現、事実に対する自分の気持ちや感じたことを伝える)、③Specify(提案、具体的な解決方法や、相手に求めていることを伝える)、④Choose(選択、相手の反応に応じて、もし提案が受け入れられなかったときは別の案を伝える)となっています。
最初の例で説明すると、お友達に遊ぶ約束を断ることを伝える場合、「①今日遊ぶ約束のことなんだけど、宿題が全然終わらなくて遊べそうにないんだ。②ごめんね。③また今度、絶対遊ぼう!④いつがいいかな?」といった伝え方が考えられます。
実際にアサーティブな伝え方を身につけると、コミュニケーションの質を上げることができるとのことですので、興味がある方は試していただけると良いと思います。
水野
〈参考文献〉 平木典子(2009) アサーション・トレーニング さわやかな<自己表現>のために