「スタッフのコラム」を更新しました!(R5.7.25)

◯ インターネットと認知バイアス

 SNSや動画サイトが流行の発祥になったりするなど、インターネットの影響力は年々大きくなってきています。インターネットは誰もが情報を発信できる手軽さと情報の拡散力がメリットで、インターネットを情報源として活用している人も多いです。一方で、それが悪い方向に働くこともあります。誤った情報が拡散され、デマやフェイクニュースが流行り、有名人などが過剰に非難される“炎上”という現象も起こります。このような現象はなぜ起こるのでしょうか。それには、私たちの思考・判断の偏りが影響しているかもしれません。
 「思考や判断の偏り」のことを心理学では『認知バイアス』と呼んでいます。認知バイアスは誰にでも起こると考えられていて、思い込みや偏見に繋がります。また厄介なことに認知バイアスは無意識に生じるので、自分でも気づかない内に偏った見方、考え方をしてしまいます。
 そもそも、私たちがインターネットから情報を得ようとする際には、全ての情報を網羅することはできず、自分の好みのウェブサイトや、SNSでフォローしている人から主に情報を収集することになります。また、最近では自分が読んだ記事や閲覧した動画を基に、自分の興味・関心のある話題が提示されやすくなっています。このような仕組みからインターネットは認知バイアスが生じやすいと言われています。
 以下に、インターネット上で見られる有名な認知バイアスを紹介します。認知バイアスについて理解することが防止するためには有効かもしれませんね。

◯ 確証バイアス
 確証バイアスとは、自分が立てた仮説や信念に合った情報ばかりを集めて、反する情報にはあまり注意を払わない傾向のことを言います。インターネット上には、世間が興味・関心を持っているニュースや、政治などのセンシティブな話題も多く流れてきます。その中で、先程説明したインターネットの仕組みにより、自分にとって都合のいい情報だけが入ってくるので、確証バイアスが生じる可能性があります。

◯ 真実性の錯覚
 初めて聞いたときには確信が持てなくても、同じ話を何度も聞くうちに徐々に真実味が増していく傾向のことを真実性の錯覚といいます。SNSなどで情報が拡散されると、目に触れる機会が多くなり、デマやフェイクニュースでも真実に見えてしまうのかもしれません。

 

【参考文献】イラストでサクッとわかる! 認知バイアス 誰もが陥る思考の落とし穴80

       池田 まさみ/森 津太子/高比良 美詠子/宮本 康司【監修】