晴天に恵まれた卒業式。前日までの寒さから打って変わって、顔に当たる風にやわらかな暖かさを感じる日になりました。
在校生の最後の練習も済み、保護者や来賓の方々も入場し、いよいよ主役の登場を待っていると、大きな拍手に包まれながら卒業生が入場してきました。堂々と歩いてくる子ども達の姿に、逞しさが感じられ、頼もしく思いました。
式 の中で一番印象に残った場面は、答辞として卒業生の代表が壇上に上がって話をしていた場面です。その中で、“生きる”という言葉が何度か使われました。そ こに込められた強く生きるということ、亡くなった級友のためにも生きるということ、被災地の希望であり生きるということなど、色々な重い思いを感じまし た。“生きる”という普段は意識しない普通のことが普通ではなく、改めて、大切なことでありその言葉の重みを感じました。生きるという人の営みにおいて意 識しない当たり前のことが、もしかしたら至上のことなのかもしれません。
そ の後の卒業生の歌声はいつもより声が小さくて、それでも必死に声を絞り出していました。いつもの声とは引き換えに、鼻をすすりうつむく姿や、ハンカチを手 に握りしめて何とか歌おうとしている姿がそこにありました。最後の退場の画面では、卒業生が出ていく扉の先に、ショベルカーと工事中の建物が見え、そこに 向って歩いて出て行く姿が、まさに子どもたちの今とこれからを映し出しているようで印象的でした。
その後、願いと想いを込めて一人一人と堅く握手をして別れました。恐らく私と会うことは最後となるでしょう。本当に、心から卒業おめでとう。これからも共に未来を切り拓いていきましょう。
(大)