「スタッフのコラム」を更新しました!(R4.8.19)

 小中学生の皆さん、楽しかった夏休みも終わり、2学期が始まりますね。夏休みの宿題はもう終わりましたか。皆さんは、宿題をやっているときについ別のことを考えてしまい、宿題があまり進まなかった... という経験はありませんか?

 

 このような現象を心理学では『マインドワンダリング(Mind Wandering)』と呼んでいて、今やっていることと、関係のないことを思い浮かべる現象を指します(ワンダリングとは「さまよう」という意味です)。授業中に全く関係のないことを思い浮かべてしまう、気づいたら過去の失敗について考えていた、といった経験は誰にでもあるのではないかと思います。実際に、一日の内に約40%はマインドワンダリングをしている、という研究データもあります。

 

 では、マインドワンダリングは私たちの生活にどのような影響を与えているのでしょうか。いくつかの研究では、マインドワンダリングによって注意力が低下し、成績が低下する、作業のスピードが落ちる、などの悪い影響があると分かっています。確かにその通りですが、悪い影響だけかというとそんなことはありません。良い影響を与えていることも報告されています。例えば、創造的思考を促進し、良いアイディアが思いつく、将来の計画についてきちんと考えることができる、精神的なリラックス効果がある、などです。

 私たちの生活に良くも悪くも影響を与えているマインドワンダリングですが、誰にでも起こる現象だからこそ、上手く付き合うことが大切になってきますね。

 

飯高

 

<参考文献>

関口貴裕, 森田泰介, & 雨宮有里. (2014). ふと浮かぶ記憶と思考の心理学─ 無意図的な心的活動の基礎と臨床─ 北大路書房. など